成長因子

育毛・発毛にいいといわれる「成長因子」ってそもそも何?

こんにちは!ハゲ太です。

様々な育毛方法について調べていると、「成長因子」という言葉をあちこちで耳にします。

多くの育毛剤に配合されていますし、AGAクリニックなんかでは「成長因子を頭皮に注射する」という療法もあったりします。

「とにかく発毛・育毛によさそうだ」ということは何となくイメージできるのですが、「成長因子」というのが聞き慣れない言葉でかつ漠然とした言葉なだけに、個人的にモヤモヤした感情を抱き続けてきました。

そこで一度「成長因子」について詳しく調べみようと思いました。

 

僕と同じように「成長因子ってそもそもなんやねん」というモヤモヤした思いをお持ちの方の参考にしていただければ幸いです。

 

成長因子(グロースファクター)とは

まず、成長因子がどのように定義されているのか?ということから見てみましょう。

微量で細胞の成長・増殖を促進する一群の物質。
(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)

広義には細胞や組織の成長を促進する作用をもつ物質(栄養因子やホルモンなどを含む)の総称だが,細胞の成長・分化・増殖を促進するシグナル物質(増殖因子あるいは細胞増殖因子)の意に用いることが多い。
(百科事典マイペディア)

細胞成長因子ともいう。細胞分裂を促進したり、形態変化や肥大をもたらすポリペプチド性因子の総称。
(知恵蔵2015)

成長因子(せいちょういんし、英: Growth factor)とは、動物体内において、特定の細胞の増殖や分化を促進する内因性のタンパク質の総称である。増殖因子、細胞増殖因子(さいぼうぞうしょくいんし)などともいう。様々な細胞学的・生理学的過程の調節に働いており、標的細胞の表面の受容体タンパク質に特異的に結合することにより、細胞間のシグナル伝達物質として働く。
(Wikipedia)

ということで、成長因子をかんたんに定義するとすると、

「特定の細胞や組織の成長・分化・増殖を促進する情報を伝えるシグナル物質(ポリペプチドまたはタンパク質)」ということになると思います。

 

「ポリペプチド」というのはアミノ酸がいくつか連結した分子のことですね。そしてさらに連結して高分子になったものがタンパク質です。

アミノ酸が2つ以上連結した分子を「ペプチド」といい、アミノ酸が10個以上連結したものを「ポリペプチド」と呼びます。ペプチドは細胞レベルで様々な働きをもち、生命機能を支えています。

 

成長因子は細胞や組織の成長を刺激することから、細胞の若返りや毛母細胞の増殖を促進するといった働きが期待でき、アンチエイジングやAGA治療、再生医療などに活用されているわけですね。

 

 

成長因子の種類

成長因子は「どんな種類の細胞に働きかけるのか?」によって様々な種類があります。

Wikipediaには下記のような種類があると記載されています。

 

  • 上皮成長因子(Epidermal growth factor:EGF)
  • インスリン様成長因子(Insulin-like growth factor:IGF)
  • トランスフォーミング成長因子(Transforming growth factor:TGF)
  • 神経成長因子(Nerve growth factor:NGF)
  • 脳由来神経栄養因子(Brain-derived neurotrophic factor:BDNF)
  • 血管内皮細胞増殖因子(Vesicular endothelial growth factor:VEGF)
  • 顆粒球コロニー刺激因子(Granulocyte-colony stimulating factor:G-CSF)
  • 顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(Granulocyte-macrophage-colony stimulating factor:GM-CSF)
  • 血小板由来成長因子(Platelet-derived growth factor:PDGF)
  • エリスロポエチン(Erythropoietin:EPO)
  • トロンボポエチン(Thrombopoietin:TPO)
  • 塩基性線維芽細胞増殖因子(basic fibroblast growth factor:bFGFまたはFGF2)
  • 肝細胞増殖因子(Hepatocyte growth factor:HGF)

 

ひとことに「成長因子」といってもこれだけの種類があるんですね。

では「髪の成長や発毛・育毛に関連する成長因子」にはどのようなものがあるのでしょうか?

 

発毛・育毛に関わる成長因子は?

発毛・育毛に特に関係する主な成長因子として、以下に代表的なものを5つ上げてみたいと思います。

 

1.EGF(上皮細胞増殖因子・ヒトオリゴペプチド-1)

1962年にアメリカの生化学者スタンリー・コーエン博士に発見された成長因子で、博士はこの発見を含む功績によって1986年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

EGFの働きとしては、皮膚の表面にある細胞に働きかけて新しい細胞の生産を急速に促進するというものがあります。肌のターンオーバーを促進して老化を防ぐことで頭皮の状態を若く保ち、育毛を促進する効果が期待できます。

 

2.FGF-7 (線維芽細胞増殖因子・KGF・ヒトオリゴペプチド-5)

「FGF(fibroblast growth factor)」は線維芽細胞をはじめとしたさまざまな細胞に対し増殖、分化などの活性を促すシグナル分子です。

FGFには全部で23種類あり、「FGF-〇〇」の〇〇部分の数字によって名前がつけられています。

そのなかでも「FGF−7」は育毛・発毛に大きな影響力をもった成長因子として知られていて、毛乳頭細胞から分泌されたFGF-7が毛母細胞に働きかけることによって毛母細胞の増殖、分裂を促し、毛髪を成長させると考えられています。

 

またFGF-7は、別名KGF(角化細胞増殖因子、角質細胞増殖因子、ケラチノサイト増殖因子)とも呼ばれています。

髪の毛は毛母細胞がケラチンを溜めこんで角質化(角化)したものですが、この別名からも髪の毛の成長に深く関わっていることがわかります。

 

FGF-7は頭皮への塗布によっても育毛効果が!

「発毛促進因子」とも呼ばれるFGF-7は多くの発毛研究に使われ、試験管内の実験データによる発毛促進効果は確認されてきましたが、実際の人を対象にした臨床データはほとんどありませんでした。

というのはFGF-7は非常に高価だからです。

たとえば1日400IUの塗布を男性10名女性10名に90日間続けるだけでも、総費用は8,640万円となってしまうのです。

そんな中、NPO法人日本EGF協会が高額な実験費用をものともせず臨床発毛実験をおこなってくれました。

その結果、

男性の場合FGF-7を塗布したAグループでは毛量で70%、毛髪の太さで80%が改善し、女性の場合FGF-7を塗布したCグループでは毛量で90%、毛髪の太さでも90%が改善した。

という大きな育毛・発毛効果が実際に確認されたのです。

 

またFGF-7には他にもうれしい副次的効果があります。

以下、日本EGF協会のWebサイトから引用します。

なお、FGF-7はKGF(角質細胞増殖因子)でもあるため、頭皮に使用し続けることで、薄くなってたるんだ
頭皮の角質細胞自体を作り出し、頭皮自体を引き締めることで、お顔全体の見た目のたるみを改善するのでは
ないかと思われ、「顔の印象が若返ったか」「顎のラインがシャープになったか」という質問をCグループに のみ
行ったところ、以下のような結果が出た。

○・・・そう思う     ×・・・そうは思わない

Cグループ 女性 FGF-7 4μg/日

 

顔の印象が若返った
顎のラインがシャープになった
39歳
×
30歳
54歳
43歳
×
46歳
62歳
×
32歳
34歳
61歳
×
46歳

 

結果は発毛効果とほぼ重なるが、100%が顔の印象が若返ったと実感している。これにより、
FGF-7を頭皮に使用することで、発毛だけでなく、顔全体のたるみを改善し、
顔の印象が
若返るということも立証された。

(参考:日本EGF協会Webサイト

ということで、FGF-7を頭皮に塗布することによって「顔が若返って見える」という嬉しい効果もあるようです。

発毛にもアンチエイジングにも効果が期待できるということなので、「FGF-7(KGF)」はぜひ覚えておきたい成長因子ですね。

 

 

IGF-1(インスリン様成長因子)

IGF-1は成長ホルモンによって主に肝臓から分泌される成長因子で、インスリンに似た効果の他、細胞の成長(特に神経細胞)と発達を促進し、DNAの合成を調節するはたらきがあります。

毛母細胞を刺激して発毛を促進する働きがあることが知られています。

 

IGF-1と発毛の関係は、名古屋市立大学の岡嶋研二教授が発表した「カプサイシンとイソフラボンによってIGF-1が分泌が促進され、育毛に効果がある」という研究によって有名になりました。

この研究はその後データ内容にねつ造があったとして教授を含む2名が懲戒処分となったたため信ぴょう性が疑われることになってしまいましたが、「IGF-1に育毛効果がある」こと自体はこの研究とは関係ありません。

 

チモシンβ4成長因子

43種類のアミノ酸から構成されるホルモン成分で、主に胸腺から分泌されます。

チモシンβ4と発毛・育毛の関係

髪の毛の元となる毛母細胞は、毛包の「バルジ領域」という場所にある「毛包幹細胞」が毛根に移動することによって作られます。(下図参照)

この幹細胞は毛根に移動しなければ毛母細胞になることはなく、未分化の幹細胞から他の機能をもった細胞へと分化していってしまいます。


チモシンβ4はこの毛包幹細胞の毛根への移動を促進することで毛母細胞に分化する幹細胞を増やし、髪の生成や再生に有用な作用をもたらすことができます。

また、チモシンβ4には血管を新生させる作用もあるといわれているので、育毛に適した頭皮環境の活性化に大きな役割を果たすことも期待できます。

 

ちなみにこちらの記事(毛が生える鍵は幹細胞にあり|オクタペプチド-2の育毛効果とは?)でご紹介した「オクタペプチド-2」という合成ペプチドは、チモシンβ4の働きを模倣できるようにつくられた合成ペプチドです。

 

VEGF(血管内皮細胞増殖因子)

VEGFはその名のとおり血管内皮細胞を増殖させ、血管のない部分に新しく血管を作ったり、すでにある血管から枝分かれする形で血管を作ったりします。

VEGFによって頭皮の毛細血管が強化されるので、血液の流れが増加し、頭皮の細胞により十分な栄養が届けられるようになります。

 

発毛・育毛に決定的な役割を果たす成長因子に注目しよう

以上、発毛・育毛に関係する成長因子についてかんたんにご紹介してきました。

いかがだったでしょうか?

 

成長因子はもともと僕たちの身体のなかに存在するものですが、似たような作用をもった合成成分も開発されています。

育毛剤や成長因子注射について検討する際は成長因子についての理解があるとひとつの選ぶ基準になると思うので、それぞれの成長因子が果たす役割について少しでも理解を深めていっていただければと思います。

僕もさらに理解を深めていきながら、またご紹介できることがあればどんどん紹介してきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 

それでは、今回も最後までありがとうございました(^^)

 

 

 

 

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